お客様の声

NRIJ戦略的交渉力セミナーをご採用いただいた人事・教育担当者様の「生の声」です。
セミナー導入の経緯や導入効果などのインタビュー内容を紹介しています。

2013.7.29
事例紹介 Vol.1共同印刷株式会社様
共同印刷様

受注産業特有の受け身の商談スタイルを長年続けてきたため、厳しい要求に対応しきれず、交渉が行き詰まると譲ってしまうのが常でした。
長いお付き合いのある取引先を大切にしつつ自社利益も確保する、という交渉力をつけさせたかったのです。

明治30年創業の総合印刷会社 共同印刷株式会社では、経営環境の変化の中、業績向上のための社員スキルアップ研修として、NRIJの「戦略的交渉力セミナー スタンダードコース」を実施しています。
2008年より6年間に渡り、約600名の社員が受講している人気プログラムです。

「戦略的交渉力セミナー」導入の背景や導入した理由、その効果について、同社人事部 人材開発課 課長の中村健二氏(写真中央)、同課長代理の西園明美氏(写真左)、小丸麻里子氏(写真右)に詳しくうかがいました。
※役職・所属部署は2013年7月29日現在のものです。

1.共同印刷の業態と社員研修体制

共同印刷の業態について、教えてください。

共同印刷は明治30年創業の総合印刷会社で、印刷技術を核に多様な製品・サービスを開発してきました。
現在は雑誌・書籍などの出版印刷、 カタログ・POPなどの一般商業印刷、ビジネスフォーム・データプリント・証券・ICカードなどのビジネスメディア、紙器・軟包装・チューブ・機能性材料などの生活産業資材など、さまざまなサービスを提供しています。
2013年度の売上高は942億2千万円(連結)、従業員数1862名です。

共同印刷では社員教育をどのように企画・実施されていますか。

全ての社員に習得してほしいベーシックで基盤となる教育は、人事部が主体となって、現場担当者とも意見交換しながら企画・実施しています。
一方、部門ごとに求められる専門的な教育に関しては、各部門で企画・実施しています。当社は多様な製品・サービスを手がけていることから、知識の専門性が異なります。例えば、雑誌・書籍などの出版印刷部門では本の作り方などの知識が必要となるため、部門内で本づくりのプログラムを作成して研修を行なっています。
また、外部研修を導入する場合は、「交渉力」のように専門性やクオリティの高さが求められるもの、現場ですぐに活用できる実践的なものなどを取り入れています。

2.交渉力研修の実施状況

「戦略的交渉力セミナー」をどのように実施されていますか。

対象は営業部門と発注購買部門の課長職、グループリーダー、入社5~10年の中堅社員です。
内容は2日間の「スタンダードコース」で、1日目はゲームやワンポイントレッスンを交えながら体系的に交渉理論を習得する「理論編」、2日目は当社のビジネステーマにカスタマイズしたケーススタディにより実施される「ロールプレイ実習」となっています。
具体的には、次のような実習ケースとしました。
営業部門向けは、見積り提示から、再交渉、受注、仕様変更、トラブル処理までの交渉プロセス。
発注購買部門は、値下げ交渉から再改定案の提示、値下げ白紙撤回要請への対応、トラブル処理までの交渉プロセスです。
人事部主体の基幹研修として、2008年より現在まで6年間に渡り合計18回(主に変則3日間;40名コース)実施し、約600名の社員が受講しました。

6年間継続的に実施してきたポイントはどこにあるのでしょうか。

研修後の受講者アンケートでは、毎回9割近くが高い評価をつけています。人事部で実施している研修の中でも非常に高く評価されており、各部署の上長が「この研修は必ず受講するように」と部下に勧めています。
「交渉」時には、全社共通の指針で取引先と対応することが必要だと考えています。そうした重要なテーマを扱う研修への評価が社員の職位に関わらず一致し、交渉に対する共通の考え方が浸透していることは、組織力強化に大いに役立っています。

3.社員の「交渉力」を高める必要性

共同印刷はどのような経営課題を抱えていたのですか。

印刷業界を取り巻く環境は、競争の激化、受注量の減少といった売上面での課題に加え、小ロット・多品種化、原材料の値上りなどコスト増という厳しい状況が続いています。
そのような環境の中、業績向上(営業部門は売上・利益の拡大、発注購買部門はコスト削減による利益の拡大など)を図ることが喫緊の課題となっていました。

そのような課題解決のために社員の「交渉力」アップに着目した理由は。

印刷は受注産業です。当社も「お客様の要望通り」が第一という受け身の商談スタイルを長年続けてきたため、デフレや値引きという厳しい状況に対抗しきれていませんでした。中堅社員などの多くは交渉力の弱さを認識していたものの、どうすれば良いのかが分からず、ジレンマを感じていたのです。そこでコミュニケーショントレーニングの一つとして、自社利益を獲得するための交渉力研修が必須だと考えました。

“「お客さまの要望に応えたい、しかし自社の利益も確保したい」社員の抱える思いをなんとかしたかったのです”

4.交渉力研修を選ぶ際の重視ポイント

交渉力研修を選ぶ際、重視したポイントは何ですか。

以下の4つのポイントを特に重視しました。
1)交渉理論が、長いお付き合いのある取引先を大切にしてきた共同印刷の社風や考え方にマッチしていること
2)きれいごとではなく、実践の場面ですぐに役立つトレーニングであること
3)テクニックに偏ることなく、体系立てて交渉理論が学べること
4)講師の専門性が高く、経験豊富なこと

「戦略的交渉力セミナー」の体験講座に参加した感想は。

NRIJの「戦略的交渉力セミナー」を知ったのは、同社が毎月1回開催している、企業の教育担当者を対象とした無料体験講座案内のDMでした。『戦略的~』というキャッチフレーズに興味を惹かれて参加しました。

まず気に入ったのは、「交渉相手との『長期的で良好な信頼関係』を構築しながら、自社(自分)の『最大限の利益』を得るための交渉スキルを習得する」というコンセプトです。これは、長いお付き合いのある取引先を大切にしつつ自社利益を獲得したい、という当社の求める交渉スタイルに合致しました。

次に「実践的」という点です。最大20名という少人数制で、交渉のプロである講師を相手に、受講者全員が一対一でロールプレイを行うという実習が徹底していて良いと感じました。
「プランニング」→「ロールプレイ(交渉実演をビデオ撮影)」→「(メイン講師からの)個別フィードバック」というサイクルを通して、実際の交渉現場での一連のプロセスを「体得」することができます。

また、体系立った交渉理論となっているので、これまで経験則でやってきた交渉を整理して理解できる内容となっていました。ロジックだけではなく、エモーション(人の感情)も重視している点が現実的だと感じました。
自分では気づかず相手の交渉テクニックにはまっていたことにも、ハッとしました。(苦笑)

そして、メイン講師である観音寺先生は、ご自身の豊富な経験に裏付けされた事例を交えた講義内容で、面白く説得力があると感じました。

研修導入にあたってネックだったことや不安はありましたか。

体験講座では、ロールプレイ講師のスキルを確認できなかったため、不安を感じました。交渉のロールプレイを行なうにあたり、印刷業界の知識や理解度が十分でなければ、良いトレーニング効果が得られないのではないかと思ったからです。
しかし、実際の研修で、その懸念は杞憂となりました。講師は業界について理解していましたし、ロールプレイ実習においてそれ以上に重要なのは、受講者に学んだ交渉理論を実践させ体得させるための「交渉の進め方」にあると納得できたからです。
その点に関して、ロールプレイ講師はまさに「プロ」でした。

もうひとつはコストです。当初、非常に高いと感じましたが、魅力的な内容だったので思い切って採用を決断しました。
結果的には、費用対効果に見合ったものとして評価しています。

“研修費が高く、悩みましたが、清水の舞台から飛び降りる気持で決定しました。(笑)”

5.実際に研修を実施してみての評価

実際に研修を実施してみて、どのような点が評価できましたか。

社員がこれまで我流でやってきた交渉を、実践形式で体験して理論的な指導を受けることは、大変有意義だと思います。実際にやってみることで、プロの講師を相手にロールプレイを行なうことの効果を実感しました。
これは、「ロールプレイ講師」の質の高さにあると思います。迫力があるし、臨場感がある。
特に当社社員は受身の交渉に陥りがちなので、ロールプレイ講師には苦手である高圧的なタイプを演じてもらうようにしています。
受講者自身が交渉を体験することで学べるだけでなく、ロールプレイ講師のテクニックの使い方を学ぶこともできます。実際の交渉においては、交渉相手の気持ちや考えを知ることはなかなかできません。しかし、研修では“種明かし”として、交渉相手の考えや、どういう意図でテクニックを使ったのかを教えてもらえるのです。

また、交渉のプランニングにおいては、事前準備の重要性を体得できます。事前準備は、頭では理解しているつもりでも実際には疎かになりがちですが、ロールプレイをやってみることで、その重要性に気づかされるのです。
例えば、交渉カードを多く持つには今以上にお客様を知る努力が必要なことや、そもそもカードとなりうる自社の強みに気づいてなかった、といった発見があるわけです。

メイン講師のフィードバックも、受講者の交渉を撮影したビデオを見ながらの、事実ベースによるフィードバックなので納得できます。フィードバックを行なうメイン講師と、交渉相手であるロールプレイ講師のコメントが合致している点も、指導内容の一貫性の表れとして安心できました。

6.実施後の受講者の変化やビジネスにおける成果

研修実施後1ヶ月程度経ったところで、受講者へのフォローアップアンケートを実施しています。その一部をご紹介します。

交渉にあたっての下調べや事前準備は上手くできるようになりましたか?

・交渉に臨む前に、頭の中でこちらの主張や着地点等を整理して臨む癖がついた。
・客先の情報を事前に調査し、どの場面においてどの情報が役に立つのか整理して客先に訪問するようになり、会話が途切れることがなくなった。
・伝えるべき内容の事前準備は出来ているが、いざ会話をしていると順番がまだスムーズにいかないことが多い。
・事前準備を十分にすることにより、優位に交渉できるようになった。

交渉に臨むにあたり精神面、行動面で変化がありましたか?

・とにかく明るく、会話を楽しむ感じに、あまり気負わず交渉に臨むようになった。
・最初は雑談から入りつつ、交渉の際も自分の主張を一方的に話すのではなく、相手からも言葉を引出し、相手を尊重し、あくまでも対等な関係で交渉を行う。
・相手の心を動かすために、感情で気持ちを伝えるよう心がけている。今までよりも協力してもらえることが多くなった。
・あまり友好的でない相手でも、今までより落ち着いて、粘り強く交渉するようになった。
・後輩が多いため積極的に話しかけるようにし、後輩からも話かけやすい雰囲気を作るようになり、情報交換がスムーズになった。

研修で学んだことを実際に活用して交渉し、成果に結びついたことは?

・代理店との用紙の値段交渉において、交渉タクティクスを使って、通常決まっている用紙単価を下げることができた。
・粘り強く交渉したことで、新規提案商品の受注に結びついた。
・粘り強く交渉できるようになり、原価率を大幅に改善することができた。
・納期設定や材料調達などで、受講前よりスムーズに作業が進むようになった。
・受講後は、当初予定金額で受注できている。
・協力的でない材料メーカーから新たな情報を得ることができた。

7.NRIJへの今後の要望

最後にNRIJへの要望などをお聞かせください。

スタンダードコースは課長職、中堅クラスの社員の多くが受講しており、交渉に対する共通の認識が醸成されてきていると感じています。しかし、ポジションが上がってくるとタフな交渉が求められるようになりますし、1回の受講だけでスキルを向上させるのは難しいと思います。
受講後のフォローアップアンケートでも、「交渉時に相手に伝えるべき内容の事前準備は出来ているが、いざ会話をしていると、まだ順番がスムーズにいかないことが多い」といった声も上がっています。
今後は、一過性ではなく継続的な教育で効果を上げていけるよう、アドバンスコースとして検討していきたいと考えています。「次回は何が得られるのか?」と受講者の期待を高められるような、新鮮なトレーニングを期待しています。
また、これからは年次が若い世代へも実施していくことになると思います。スキルのお手本も、若い人が親近感を持てるような内容をご提案いただきたいと思います。引き続きよろしくお願いします。

お忙しい中、ありがとうございました。

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