次の一手
NRIJ交渉ワンポイントでは、Q&A形式で日頃の交渉に関するご質問や悩みにお答えしています。どうぞお気軽にご相談をお寄せください!
Question
重要な顧客から、大幅な値引き要請を受けています。それでは、まったく採算が取れないので悩んでいます。
Answer
営業担当者にとって、重要な商談ほど「何としてもこの案件を決めたい」という気持ちが強くなります。しかし、その思いが強すぎると、価格や条件面で相手の要求を受け入れすぎてしまうことがあります。
そこで、重要な商談の前に準備しておきたいのが「BATNA(バトナ)」です。
BATNAとは「交渉が成立しなかった場合の最善の代替案」のことです。
例えば、今回のあなたのように、顧客との価格交渉で、相手から大幅な値引きを要求された場合です。
「このお客様を失いたくない」と考えるあまり、採算を度外視した条件を受け入れてしまうのは避けたいところです。その場合「この商談が成立しなかった場合、どの顧客・案件に営業資源を振り向けるか」を事前に考えておけば冷静に判断できます。
BATNAづくりのポイントは次の3ステップです。
- 代替候補を洗い出す
既存顧客だけでなく、過去の見込み客や新規開拓先など、複数の
候補を洗い出す。 - 情報を集める
候補企業について、ニーズ、予算、競合状況、決裁者などを調べ、
単なる候補から「実際に商談できそうな候補」へと具体化する。 - 可能性を確認する
実際に電話やメールなどでアプローチして、相手の反応を確認し、
商談につながる可能性まで把握する。
つまり「他にも営業先がある」と頭の中で考えるだけではなく、実際に次の選択肢をつくっておくことが重要なのです。
BATNAがあれば「この案件を何としても決めなければ」という心理から解放され相手の要求を冷静に判断できるようになります。営業の交渉力を高める秘訣の一つは、交渉の前に「次の一手」を用意しておくことです。
