商談の終盤
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Question
私はハウスメーカーの営業ですが、遠慮がちな性格で、商談中にさらなる提案ができません。
Answer
「テンション・リダクション効果」を使えば、自然に提案できます。
これは、相手が緊張状態(高テンション)から安心状態(低テンション)に移行した直後、提案が通りやすくなる心理現象のことです。
商談中に「これ以上お願いしたら、しつこいと思われるかも…」と感じてしまうこと、ありますよね。特に相手の反応を気にしてしまう方にとっては、追加提案を切り出すのは勇気が要るものです。しかし、実は相手がもっとも受け入れやすいタイミングがあります。それが「テンション・リダクション効果」を活かした商談の終盤です。
たとえば、高額な商品を買う際、お客様は緊張しながら慎重に判断をしています。そして購入を決めた瞬間、一気に気が緩み安心した気持ちになります。このリラックスした状態では、追加の提案に対する心理的なハードルが低くなるのです。実際、スーツを買った直後に「このネクタイもおすすめですよ」と言われて、ついでに購入した経験はありませんか?これはまさに、相手の緊張が解けた“あと”を狙った提案の好例です。
営業の場でも同じです。たとえば「ご提案内容にご納得いただけたようで安心しました」と一息入れてから、「もし〇〇もご一緒にご検討いただけるようでしたら…」とさらっと、さらなる提案を切り出します。この“最後のひと言”が、驚くほど効果的です。
提案の成否は「言い方」や「タイミング」に大きく左右されます。相手が安心した瞬間こそ、自然にもう一歩進める絶好のチャンスです。