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ZOPA

NRIJ交渉ワンポイントでは、Q&A形式で日頃の交渉に関するご質問や悩みにお答えしています。どうぞお気軽にご相談をお寄せください!


Question

若い頃、少し吹っかけた価格を提示したところ、お客さんに激怒され担当からも外されてしまった苦い経験があります。

Answer

営業現場では、そんな声をよく耳にします。そのときの気まずさや後悔が、今でも価格提示のブレーキになっている方も多く見られます。でも、それは「交渉の本質」を理解すれば乗り越えられます。交渉には「ZOPA(Zone of Possible Agreement/合意可能領域)」という概念があります。これは、あなたと相手の条件が重なる「合意が成立しうる範囲」のことです。

私たちはこのZOPAの中でも「信用度の範囲」を意識するよう指導しています。つまり、相手が「それならあり得る」と受け止められる範囲のことを指します。

某IT企業の営業担当者が、システム導入の初期費用として、相場の1.5倍の金額を提示したところ、相手は即座に難色を示し、交渉は一時中断してしまいました。しかし、彼がZOPAを学習し、相手企業が「予算内で収まる」と感
じられる価格で再提案した結果、最終的に相場より1.2倍の価格で成約したとのことでした。

あなたが若いころ相手に激怒されたのは、あなたの提案がZOPAの外、つまり「信用度の範囲」を飛び越えていただけのことです。
怖がらずに「信用度の範囲内でなるべく高く」要求すること。それが、交渉成果を高めるカギになります。