1. HOME
  2. ブログ
  3. 価値を創る側

価値を創る側

NRIJ交渉ワンポイントでは、Q&A形式で日頃の交渉に関するご質問や悩みにお答えしています。どうぞお気軽にご相談をお寄せください!


Question

前回のバイヤーの視座としての「共創関係」に共感しました。そこで、共創を成功させる視座について、さらに詳しく教えてください。

Answer

企業間の取引において、共創を成功させるバイヤーの視座は「発注する側」から「価値を創る側」への転換ということです。共創を機能させるバイヤー側に必要な「7つの視点」があります。

  1. 目的共有…「なぜ共創するのか」を明確にすること。コスト削減、品質向上、新製品開発など、ゴールを一致させる。
  2. 相互理解…相手の工程や制約条件を理解する姿勢が大切。「なぜこの仕様なのか」を共に考えることで、本質的な改善が生成。
  3. 情報の透明性…共創には信頼関係が不可欠。価格や仕様など必要な情報を開示し合うことで、建設的対話が可能。
  4. リスクと成果の分担…協力関係には、痛みも利益も共有する姿勢。「成功すれば自分の手柄、失敗すれば相手の責任」では継続不可能。
  5. 対話の頻度と質…月1の定例会議だけでは足りない。仮説に基づく対話や、日常的なコミュニケーションが信頼を深める。
  6. 評価指標の整合…共通KPI(重要業績評価指数)の設定がカギ。評価軸がズレていると、共創の方向もバラバラになる。
  7. 組織的な支援体制…現場任せでは共創は続かない。部門を超えたサポート体制と経営の後押しが不可欠。

これからのバイヤーに求められるのは、価格を下げる力ではなく、パートナーと価値を共に創る力です。