準備と戦略
NRIJ交渉ワンポイントでは、Q&A形式で日頃の交渉に関するご質問や悩みにお答えしています。どうぞお気軽にご相談をお寄せください!
Question
中堅企業のバイヤーです。今度、グローバル展開している大企業から必要物資の調達をすることになりました。留意することは何でしょうか?
Answer
交渉相手がグローバルに展開する大企業だと聞くと、つい身構えてしいがちです。しかし、その気遅れが出発点での“負け”につながります。
相手の規模やネームバリューに圧倒されず、あくまで一対一のビジネスの場として臨むことが大切です。
自信を持って交渉に臨むために必要なのは、何よりも事前準備です。
特別な才能よりも、シンプルで着実な準備こそが勝敗を分けます。多くの取引カードを用意し、最高の成果を狙う「Wow」から、交渉を打ち切る最低ライン「Walk Away」まで、複数の目標設定をします。
そして、自社が獲得したい取引カードの優先順位と、譲歩してもよい取引カードの順位をつけ、どの順番で提示するかを頭に叩き込みます。
次に、交渉のシナリオを構築し、可能であればリハーサルを行います。これは1人の場合でも有効ですが、チームで臨む場合はさらに重要です。
メンバーの役割分担を明確にし、互いの発言を遮ったり、意図に反する発言をしてしまうようなミスは避けなければなりません。
発言すべきタイミングと沈黙すべきタイミングを全員で共有し、チームワークを万全に整えましょう。交渉の成果は準備量に正比例します。
事前に戦略を固め、パートナーだという視座で臨むことで、大企業相手でも互角以上の交渉が可能です。自信を持って交渉に臨み、望ましい結果をつかみ取りましょう。