ブレる
NRIJ交渉ワンポイントでは、Q&A形式で日頃の交渉に関するご質問や悩みにお答えしています。どうぞお気軽にご相談をお寄せください!
Question
自分の持っていきたい方向からブレないために、相手の主張を無視して、こちらの主張を押し切ってしまうことがあります。
Answer
もちろん、譲れない「軸」を持つことは良いことです。それこそが、全ての判断に当たっての重要な道しるべになってくれるからです。
「軸」を持つためには、十分な事前準備が欠かせませんが、とかく、日本人は事前準備を行う習慣がなく、出たとこ勝負の交渉が目につきます。 そして「軸」を持たない上、柔軟性のある日本人は、相手の出方によって大きくブレてしまいますので、合意したとしても反省の多い交渉になりがちです。これでは、満足のいく成果を得ることはできません。
だからと言って、相手の主張を無視するのは良くないですね。なぜならば、それで合意を勝ち得たとしても、相手は納得していないから、それ以降、あなたに対する真の協力は期待できません。
欧米人は事前準備をしっかりと行い「軸」を作ってから交渉に臨むと言われています。だから「軸」がブレることはありません。しかし、柔軟性がないため、なかなか合意ができないという現実があります。
その端的な例が、一昨年12月の松井秀喜選手とヤンキース球団との契約更改でした。松井選手は「ヤンキースや(球場所在地の)ニューヨークを、こよなく愛している。お金にはこだわらない」と言っていました。 しかし、松井選手の外野守備希望を、ヤンキースのゼネラルマネジャー(GM)は、即座に拒否し「あなたに期待しているのは、DH(指名打者)だけだ」と言い放ち、この契約交渉は決裂してしまったのです。
事前準備をして「軸」をもって交渉に臨むことは重要なことですが、ヤンキースのGMのように、それに固執し、それを押し通そうとすると、相手に感情的な反発が生じ、心地よい合意をすることはできません。
そこで、当社のセミナーでは、しっかりと事前準備をして「軸」を持ち、それに、日本人の「柔軟性」を加味することによって、お互いに満足度の高い合意を達成することができます、と力説しています。
