漁業の教訓
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Question
某地方スーパーに商材を売り込んだところ、バイヤーは既存の仕入先より当方の商材・納入条件などを評価してくれましたが、既存の仕入先を切れないとのことで商談が進みません。
Answer
昔、日本の漁業で、底引き網で稚魚まで根こそぎ乱獲したため、魚が獲れなくなった時期がありました。それを教訓に、以降は、底引き網漁法を禁止したり、基準のサイズ以下の魚は放流することにしました。 つまり、明日のことを考えずに、今日の収穫だけに焦点を当てると、底引き網で根こそぎ乱獲してしまうという愚行を起こしがちです。
ビジネスにおける取引先などとの関係についても同じことが言えますが、意外に理解されていません。今回のあなたの場合は、交渉相手の、その先にいる既存の仕入先ということになりますが、同じことです。
地方の場合は、長い取引関係とか縁故とかの理由で、既存の仕入先から新規企業に替えられないということがよくあります。そこで、まずバイヤーに、既存仕入先を切れない理由などを聞き出したいものです。 もし、前述のような理由があるのならば、バイヤーの立場も考慮し、一気に総取りしようとしないことです。それでは、バイヤーは動けませんので、既存の仕入先にも配慮した計画を立てましょう。
確かに、自分が優位で強い立場であれば、相手に1円も残さず、自分の目先の利益を最大限に獲得することも可能でしょうし、また、そうしたくなるものです。 しかし、二度と会うことのない相手でない限り、全てを奪い取ってしまうことは、決して賢い交渉戦略ではありません。
「自社利益を最大限に」という目標は、確かに重要です。しかし、相手側をどこまで犠牲にするか、という大きな課題があります。この判断は、「相手の気持ち」になって見極めるしかありません。つまり、相手にも最低限の満足を与えなければなりません。 相手の満足度も計画に含めた上で、交渉目標を立てておけば、今回だけではなく、将来的にも、この関係から計り知れない利益を確保する結果になり得ます。
優秀な交渉者とは、交渉以前における、効果的な人間関係づくりと企業関係づくりの達人でもあるのです。
