リアルな数値
NRIJ交渉ワンポイントでは、Q&A形式で日頃の交渉に関するご質問や悩みにお答えしています。どうぞお気軽にご相談をお寄せください!
Question
取引先のバイヤーさんで、最後に必ず、切りの良い価格にならないと、首を縦に振らない人がいます。
Answer
売買交渉では「端数は切ってよ」「10%値引きしてよ」といった切りの良い数字にこだわる人が少なくありません。
計算しやすく、分かりやすいという理由はありますが、果たしてそれが最も合理的な交渉なのでしょうか。
私たちは数字の大きさだけでなく、その切りの良さにも影響されています。売り手の立場からすれば、9%OFFが限界なのに、根拠もなく10%OFFを要求されても困ります。
その場合、無理に端数を丸めて譲歩する必要はありません。
むしろ、安易に10%や20%といった切りの良い数字を提示すると「大雑把な計算で値引きしているのではないか」「まだ値下げの余地があるのではないか」と疑われる可能性があります。せっかく譲歩しても、相手の満足感が高まらないのでは残念です。
大幅な値下げ要求が予想される場合は、保証期間やアフターサービスなど、価格以外の取引カードも検討しておきましょう。
例えば「本体価格の値引きは8%が限界です。ただし、このアフターサービスをお付けすれば、実質的な値引き効果は10.8%となり、ご要望の10%を上回ります」と提案するのです。
このように、正確で具体的な数字を用いることで、十分に検討した上での譲歩であることが伝わり、提案の説得力も高まります。切りの良い数字よりも、根拠のあるリアルな数値を大切にすることで、相手の納得感を高め、満足度の高い合意につながります。
